目 次 【 押すと ジャンプ します 】
え? 痛気持ちいい ( ゚Д゚)??
グイグイ押されて「痛気持ちいい〜」
「痛」がついた段階で、身体は反射的に防御します。より身体を固めて守ろうとします。
『防御反射』と呼ばれています。
マッサージでは、この『防御反射』をいかに起こさず刺激を与えられるか?が鍵であり腕の見せ所でもあります。それが身体の自然治癒力引き出すことになります。
そういう点では、『強い指圧』は治療にはならないということです。
■チャレンジ
強く刺激すると、どれだけ身体がカタくなるのか試してみましょう。
【首…顔を左に向ける】
【左腕…前から上げる】 で比較してみましょう。
まず、
いかがですか?
首、肩ともに、動く範囲が狭くなったと思います。強く押されたことで、身体が緊張して全身固くなっています。
押せば押すほど、どんどん固くなります。(脳は気持ちいい)
- さっき押したところを、手の平全体でベタッと触り
前後にズラすようにゆっくり動かす。(皮膚を動かす感じ) - 次に脇を押さえて左肩を数回まわす。これで、もとの状態にもどります。
では、何故、『強い指圧』が一定数人気があったり、病みつきになったり、やった直後はスッキリ感がでるのか?
わがままな『脳』のしわざ
「強くないとやられた気がしない」
「強く押されるとサッパリする」
この感覚は、『脳内麻薬』の分泌によるものです。
『脳内麻薬』βエンドルフィン
…
麻酔のように痛みを感じなくさせたり、気分の高揚、多幸感を感じさせるホルモン。
◆こんな時、分泌される
①楽しいことを考えている時、美味しいものを食べた時などにも分泌。
②外からの痛みや苦しみの刺激を受けて
逃げる・闘う(生物の反射反応)のどちらも無理!となった時に分泌。
大怪我をした時、臨終の間際なんかにも分泌されているようです。
①の分泌の仕方は正しい使い方ですので、どんどん分泌させるべきです。
『強い指圧』では、苦痛と傷を与えることで、②の機序で分泌していると思われます…
マッサージに行って、わざわざこんな分泌の仕方しなくていいですよね(汗)
病みつきの流れ
なんらかの理由でリキんで固くなった筋肉
→
強く押す
→
筋肉、血管、神経、包んでる膜などが傷つく
→
『脳内麻薬』分泌
→
麻酔効果で、「痛みがまぎれる&高揚感」
→
楽になった!(気がする。)
→
麻酔が切れると、筋肉の炎症で、もっと辛くなる
→
また、『脳内麻薬』が欲しくなる
→
さらに、『強い指圧』を求める
この無限ループにはまります。
炎症を繰り返した筋肉は繊維化がすすんでしまいます。とても辛いので、これを、一時的でも崩したくて、さらに『強い指圧』を求めるようになります。
※筋肉の繊維化…伸縮がほとんどできない、血管、神経も潰された「粘土」のような状態。
『麻薬』なので「依存性・中毒性」がある
分泌に耐性がついてくるので、「前と同じ刺激では物足りない」となり、更なる強さを欲します。まさに麻薬中毒ですね
「脳」は基本的に、快楽しか求めませんから、「身体」からしたら迷惑なことも、どんどんやります。(強い指圧・甘いもの・食欲が止まらない等)
ただ、この流れは『心』と『知識』で止めることができます。
筋肉の繊維化まで進んでしまったクライアントさんを何人も見てきました。
「何か自分の身体ではないものが貼り付いて、常に鈍痛がある感じ…」
「血流が部分的に無いに等しいので血圧が安定しない…」(基本、高血圧)
など、深刻なことになります。
特に年配の方たちは、この刷り込みがとても強いです。
強く揉めば身体はボロボロになっていきますが、
麻薬がでるのでクライアントさんも喜ぶし、
麻薬が切れればまた通い詰めることになるので整体院も儲かるという
まさに『麻薬の売人』です。わからないでやっている整体院もあれば、わかっててやってる整体院もあります。他人様の身体を触る以上知らなかったではすまされない大変な罪です。
辛い痛みから一時的にでもいいから逃れたいというのは当然です。自分のこの辛さ…何が原因かわからなければ、不安は無限に増幅するので尚更です。
ただ、この流れを『知って、自覚する』ことで、この悪循環をどこかで断ち切ることができるのです。
やまとでは、1番上の、『なんらかの理由でリキんで〜』のところから解除していきます。
周りのお知り合いで
『強揉み好き』
の方がいましたら、お伝えください。
ただ、この流れを理解した上で、
お酒やタバコなんかと一緒でリラックスを得るための嗜好品のひとつと考えて、『強揉み』をおやりになるのは自己責任でアリだと思います。何しろ気持ちよくなれるので。
やまと ではやってませんが(笑)
因みに針治療は筋肉をほとんど傷つけることなく、『脳内麻薬』を分泌させることができます。
だから、急性の痛みを和らげることができるんですね。
①普通の状態で上記の動きを確認。
そして
②左肩口あたりを指先で痛気持ちいいくらい強めに4〜5回押す。
③再度、動きを確認。